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映画「ミッドサマー」見てきました。
今まで見た映画の中で一番ってくらいおぞましかった。天国の皮をかぶった地獄。グリーン・インフェルノならぬホワイト・インフェルノ。主人公たちをストレートに食料としか見てなくて騙したりしない分グリーン・インフェルノの方がまだマシ思えるくらい。陽射し降り注ぐゴア描写も強烈。
次々と姿を消す外部の者たちの行く末は容易に想像できたけれど、「適齢期には一旦村を出る」「血が濃くならないように外部の者を招いている」などの現代的で常識的な考え方や、女王を決める儀式のいわれに「生贄」はないものだとずっと思ってた。だからそのものずばりな「生贄」という言葉を使った種明かしに絶句。多くの外部の者を連れてきてくれたと表彰されるペレの姿にハナから騙す気満々だったのかと。
コミューンの数々の風習は到底理解の及ばないものばかりだけど、「死におびえるより名誉の死を遂げ次世代に命をつなぐ」という説明になるほどなと思ってしまった。主人公の恋人が「外部の血」として選ばれたのが少女の一存でなければ王族皇族の結婚だって似たようなものでは。
最強におぞましいのは「聖なる者」を意図的な近親交配によって作るという風習。いくら近親交配でも健常者同士でいきなりあのレベルが生まれるとは思えない。ということは「聖なる者」の血筋があるのではないかと。
姿を消した外部の者たちが神殿に運び込まれてくるシーンでは死体の様相についつい死に際を想像してしまう。鳥小屋に吊るされていたカップルの男はあの時点で明らかに生きてたよね?こんな凄まじい拷問を受けるほどのことをしたのか。
理解できないのが「外部の種」を授けた彼が「悪」の役割を充てられたこと。コミューンの民にその役割を与えられないとしたら消去法?
結局外部の者はおそらくこの地に留まることにしたであろう主人公を残して全員生贄となってしまったわけだけど、コミューンに足を踏み入れたら留まるか死ぬかの二択なのか?生贄となった人は侮辱程度のものも含めると全員何かしらやらかしてるからわからない。
しっかし主人公の恋人はここまで悲惨な最期を迎えなければならない理由があったのだろうか。冒頭では彼女を突き放すような描写があるけれど、のべつまくなし電話かけてこられたらウンザリもするだろうよ。その後の悲劇だって結果論でしょ。旅行中も彼女に寄り添って守ってたじゃない。交わったのだって一服盛られて無理矢理もいいトコロなわけだし。悲惨としか言いようがない。
それでもあんな場面を目撃してしまった彼女の気持ちは想像に堪えない。主人公につられてホルガの民も泣きわめく場面はハタから見ると完全に集団ヒステリーだけど「自分のことのように悲しんでくれる」と思ってしまうのも無理はない。
「大切な家族はもういない」「恋人の気持ちが自分から離れていることに気付いている」「恋人の裏切り」「思いに寄り添ってくれる人たち」どれも彼女が留まることを決めた説得力としてじゅうぶん。自分に想いを寄せてくれる人もいるしね。
最後の生贄に恋人を選んだのは単純に裏切りへの復讐だと思ってたけど、「この地で永遠にあなたとともに」ということかとも。あの笑顔が「ざまあみろ」という類のものではない。
でも彼女がラストの段になってそんなことが考えられるほどの正気を保っていただろうか?というそもそも論に至る。
いやこの映画いくらでも考察できる。「あれはなんだったんだろう?」がたくさんあって「こうなんじゃないか」といくらでも考えられる。
こんな壮絶な映画が「スウェーデンが舞台のホラー映画を作って」という依頼で作られた商業映画だということに驚き。3時間45分にも及ぶというファースト・カット版もぜひとも見たい。

余談。
自分は映画館で映画見るのに向いてないタチだという自覚はあるんですけどね…。
隣の客が声上げて笑うタイプでめっっっっちゃ気が削がれた。バースデーケーキのろうそくになかなか火がつかない場面はほのぼの場面だからいいとして、儀式の場面は笑うような場面じゃないじゃん。たしかにシュールさに笑ってしまう気持ちもわかるよ。でも少なくとも笑いを共有する場面じゃないんじゃん。こっちは複雑な気持ちで見てるのに隣で笑われるとそっちに気持ちが持ってがれて笑いそうになる自分にも嫌になる。
よくブログとかでも「あの場面で笑ってるの俺だけだった」とか書いてる人いるけどさー。笑いのツボが人と違う自覚あるんなら表に出さないように努めていただきたものですなあ!「人と違う自分」アピールは結構!
映画 | CM(0) | TB(-) 2020.03.04(Wed) 21:56

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