唇は語らずとも
仙台オペラ協会第44回公演「メリー・ウィドウ」を見てきました。
宝塚で2013年に上演された「THE MERRY WIDOW」が大好きで、いつかはオペレッタでも!と常々思っておりまして。そしたら生オケでバレリーナも参加、過去の公演画像を見て舞台セットも衣装も豪華そうでなかなかに本格的な公演があるじゃないですか。というわけで行ってまいりました。
公演前にはバックステージツアーにも参加して、客席から見ていたステージに立って客席を見渡すという普段とは違う立場での貴重な経験に感動!舞台監督からは舞台セットや稽古に関する苦労話も聞けました。
冒頭にも書いた通りそれなりに期待していたのですが、期待以上でした。私は音楽のレベルのことは全然わかんないので(舞台のレベルのこともわかんないけど)見た目の印象になってしまいますが、舞台上の人数だけでいえば宝塚の大劇場公演並み。パーティーがちゃんとにぎやか!
出演者も役柄にピッタリ。とくにツェータ男爵がどハマリ。ノッポなツェータ男爵と小柄なニエグシュは並んでるだけでおかしい。カミーユもしっかりと色男でいかにも遊んでそう。
面白かったのがダニロ。「失恋でやけくそになったやる気のない酔っ払い」という人物像は宝塚ではできないなと。
カスカーダ子爵とサン・ブリオッシュは若者が正しいんだろうけど、彼ら含めておじさま多目というかほぼおじさまだから余計にコミカルに感じました。おじさま勢揃いの「女・女・女」も楽しかった~。手拍子したくてウズウズしてしまいましたよ。
ヒロインのハンナはかなりボリュームのある女性が演じたのですが、ヒロイン声も相まってとにかく佇まいがかわいらしい。ダニロの愛を確信した歌ではパンチのある声も聴かせてくれました。
宝塚版の大きな改変は、ヴァランシエンヌ・カミーユ・ツェータ男爵による三角関係の行方。宝塚版を見たときは「ツェータ男爵かわいそう」と思ったけど、こっちはこっちで「カミーユかわいそう」と思ってしまいました。というのもヴァランシエンヌの人物像に大きな違いがあって、宝塚版だと「元彼への未練を断ち切らんと別の人と結婚したが追ってきた元彼を振り切れない」のが、こっちだと「カミーユは遊び相手。夫にバレないうちに関係を絶ちたいと思っていたところに未亡人がやってきたから押し付けよう」なんですよ。いやこんな性悪女だったのかと!逆にお互い割り切った関係なんだろうなと思っていたカミーユからはヴァランシエンヌへの恋慕が見えたからなんだかかわいそうになっちゃって…。
もうひとつ宝塚版との違いでなるほどと思ったのがブラスコヴィア(プリチッチ夫人)。かたやおばあちゃん、かたや肉食系女子で、「猛アタックされたら困っちゃう」というキャラクター設定にこの手があったかと膝を打ちました。オルガ「フン!」シルヴィアーヌ「フン!」ブラスコヴィア「チュッ!」の三段オチが最高。
それとツェータ男爵の部下ルクシッチが出てこないぞと思ったら彼は宝塚オリジナルなんですね。役を増やすためにニエグシュの役を分けたのかな。宝塚版ではふたりともかわいい下級生がやってたけど、原作通りニエグシュのみで手練れのおじさま役者が演じたらそれはそれで面白かっただろうなあ。
宝塚版では聴けなかった曲もいくつか。ヴァランシエンヌとカミーユのデュエット、東屋騒動の終わりに主要5人が並ぶ歌、どれも宝塚版でも聴いてみたかったです。
本来3幕のものを2幕にしたからだとは思うんですけど、幕前の無言の芝居は少し寂しかったのでこういうところにもナンバーがあればと思いました。宝塚版にあったニエグシュのソロみたいに。ニエグシュって本当は歌わないんだーというのも勉強になりました。
メリー・ウィドウのお楽しみといえばなんといってもカンカン!宝塚で見慣れているとスカートのボリュームが全然なくてあれー?と思ってしまいましたが、アクロバティックなダンスに拍手喝采!夫人たちも頑張って脚上げてましたよ!宝塚ではやらないお尻を見せるパフォーマンスもちゃんとあったし!(ズロース履いてるしかわいくていいと思うんだけどなあ)
そういえばロロドドジュジュクロクロマルゴフルフルのフルフルがいなかったけど頭数が足りなかったのかしら?
日本語のオペレッタは初めて見たのですが、日本語だからよくわかるってわけでもないんですね。もちろん台詞はわかるけど、歌詞がね。歌舞伎も能も日本語なのに何言ってるかわからないんだからそりゃそうか。むしろ字幕のほうがストーリーを追うにはいいんじゃないかとすら。
それから歌詞。宝塚版と同じフレーズが結構あったので、ベースがあるんですかね?単に訳せばそうなるといった話じゃなくて、文章としてほぼ同じだったり(「お目当てはまさか~(中略)~お金なのね」は一字一句同じ)、「いけいけさっさ」という独特な言い回しもそのままだったり。すべてがそうじゃなくてところどころそうなのがかえって気になりました。
正直、市民ミュージカルとかその類かなと思ってて、実際遠からずだとは思うのですが、期待以上のものを手軽に気軽に見れてトクした気分になりました。
オペラ(オペレッタ)鑑賞はこれで2回目なのでまだ楽しみ方がわからない部分もあるし(やはりマイクに慣れているとマイク無しを「こういうもの」と思えるまで時間がかかる)、これからもいろいろ見に行きたいというにもハードルを高く感じてしまうので、急転直下なハマリ方はしないだろうけど、面白そうな演目があれば是非また!演出の違いもあるでしょうが演者によってこんなにキャラクターの印象が変わるのかということもわかったので、次もメリー・ウィドウで全然OKです。今度は本場(ドイツ?ハンガリー?ウィーン?)の来日公演が見たい!(言うだけならタダ)
宝塚で2013年に上演された「THE MERRY WIDOW」が大好きで、いつかはオペレッタでも!と常々思っておりまして。そしたら生オケでバレリーナも参加、過去の公演画像を見て舞台セットも衣装も豪華そうでなかなかに本格的な公演があるじゃないですか。というわけで行ってまいりました。
公演前にはバックステージツアーにも参加して、客席から見ていたステージに立って客席を見渡すという普段とは違う立場での貴重な経験に感動!舞台監督からは舞台セットや稽古に関する苦労話も聞けました。
冒頭にも書いた通りそれなりに期待していたのですが、期待以上でした。私は音楽のレベルのことは全然わかんないので(舞台のレベルのこともわかんないけど)見た目の印象になってしまいますが、舞台上の人数だけでいえば宝塚の大劇場公演並み。パーティーがちゃんとにぎやか!
出演者も役柄にピッタリ。とくにツェータ男爵がどハマリ。ノッポなツェータ男爵と小柄なニエグシュは並んでるだけでおかしい。カミーユもしっかりと色男でいかにも遊んでそう。
面白かったのがダニロ。「失恋でやけくそになったやる気のない酔っ払い」という人物像は宝塚ではできないなと。
カスカーダ子爵とサン・ブリオッシュは若者が正しいんだろうけど、彼ら含めておじさま多目というかほぼおじさまだから余計にコミカルに感じました。おじさま勢揃いの「女・女・女」も楽しかった~。手拍子したくてウズウズしてしまいましたよ。
ヒロインのハンナはかなりボリュームのある女性が演じたのですが、ヒロイン声も相まってとにかく佇まいがかわいらしい。ダニロの愛を確信した歌ではパンチのある声も聴かせてくれました。
宝塚版の大きな改変は、ヴァランシエンヌ・カミーユ・ツェータ男爵による三角関係の行方。宝塚版を見たときは「ツェータ男爵かわいそう」と思ったけど、こっちはこっちで「カミーユかわいそう」と思ってしまいました。というのもヴァランシエンヌの人物像に大きな違いがあって、宝塚版だと「元彼への未練を断ち切らんと別の人と結婚したが追ってきた元彼を振り切れない」のが、こっちだと「カミーユは遊び相手。夫にバレないうちに関係を絶ちたいと思っていたところに未亡人がやってきたから押し付けよう」なんですよ。いやこんな性悪女だったのかと!逆にお互い割り切った関係なんだろうなと思っていたカミーユからはヴァランシエンヌへの恋慕が見えたからなんだかかわいそうになっちゃって…。
もうひとつ宝塚版との違いでなるほどと思ったのがブラスコヴィア(プリチッチ夫人)。かたやおばあちゃん、かたや肉食系女子で、「猛アタックされたら困っちゃう」というキャラクター設定にこの手があったかと膝を打ちました。オルガ「フン!」シルヴィアーヌ「フン!」ブラスコヴィア「チュッ!」の三段オチが最高。
それとツェータ男爵の部下ルクシッチが出てこないぞと思ったら彼は宝塚オリジナルなんですね。役を増やすためにニエグシュの役を分けたのかな。宝塚版ではふたりともかわいい下級生がやってたけど、原作通りニエグシュのみで手練れのおじさま役者が演じたらそれはそれで面白かっただろうなあ。
宝塚版では聴けなかった曲もいくつか。ヴァランシエンヌとカミーユのデュエット、東屋騒動の終わりに主要5人が並ぶ歌、どれも宝塚版でも聴いてみたかったです。
本来3幕のものを2幕にしたからだとは思うんですけど、幕前の無言の芝居は少し寂しかったのでこういうところにもナンバーがあればと思いました。宝塚版にあったニエグシュのソロみたいに。ニエグシュって本当は歌わないんだーというのも勉強になりました。
メリー・ウィドウのお楽しみといえばなんといってもカンカン!宝塚で見慣れているとスカートのボリュームが全然なくてあれー?と思ってしまいましたが、アクロバティックなダンスに拍手喝采!夫人たちも頑張って脚上げてましたよ!宝塚ではやらないお尻を見せるパフォーマンスもちゃんとあったし!(ズロース履いてるしかわいくていいと思うんだけどなあ)
そういえばロロドドジュジュクロクロマルゴフルフルのフルフルがいなかったけど頭数が足りなかったのかしら?
日本語のオペレッタは初めて見たのですが、日本語だからよくわかるってわけでもないんですね。もちろん台詞はわかるけど、歌詞がね。歌舞伎も能も日本語なのに何言ってるかわからないんだからそりゃそうか。むしろ字幕のほうがストーリーを追うにはいいんじゃないかとすら。
それから歌詞。宝塚版と同じフレーズが結構あったので、ベースがあるんですかね?単に訳せばそうなるといった話じゃなくて、文章としてほぼ同じだったり(「お目当てはまさか~(中略)~お金なのね」は一字一句同じ)、「いけいけさっさ」という独特な言い回しもそのままだったり。すべてがそうじゃなくてところどころそうなのがかえって気になりました。
正直、市民ミュージカルとかその類かなと思ってて、実際遠からずだとは思うのですが、期待以上のものを手軽に気軽に見れてトクした気分になりました。
オペラ(オペレッタ)鑑賞はこれで2回目なのでまだ楽しみ方がわからない部分もあるし(やはりマイクに慣れているとマイク無しを「こういうもの」と思えるまで時間がかかる)、これからもいろいろ見に行きたいというにもハードルを高く感じてしまうので、急転直下なハマリ方はしないだろうけど、面白そうな演目があれば是非また!演出の違いもあるでしょうが演者によってこんなにキャラクターの印象が変わるのかということもわかったので、次もメリー・ウィドウで全然OKです。今度は本場(ドイツ?ハンガリー?ウィーン?)の来日公演が見たい!(言うだけならタダ)