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スペル・エストレージャ

ミュージカル・ロマン「アルジェの男」/スーパー・レビュー「ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~」に行ってきました!
雪→星→宙→月→花→星→宙→宙→月→星→花→星→花→星→宙→月→雪→雪→月→雪→星で1年振りの観劇です。

次期星組トップスターに決定した星組二番手・礼真琴主演の全国ツアー。二番手の全国ツアーは前にも見たことがありますが、トップ娘役不在は初めてだったので、いろいろと思うところがありました。では早速感想を。

・アルジェの男
公演解説を読んで舞台設定が第二次世界大戦前だとかスラム育ちだとかなんだか地味そう…とあまり期待してなかったのですが、とっても良かったです!
冒頭のスラムでのワイルドな出で立ちにスーツものですらないのね~と思ってたら、上流社会に身を投じてからはビシッと決まったスーツ姿を披露、更に運転手の制服姿まで見れておトクでした。
なにより純粋に物語が面白い。主人公のジュリアン含めてクズ揃いだし、ジュリアンを愛した3人の女たちはもれなく不幸になるし、胸糞なのは間違いないんだけど、死ぬべき人がちゃんと死んだという点では後味は悪くない。幕が下りる直前にジュリアンを撃った犯人であるアンドレがひっそりと上手の奥に姿を現すというラストシーンが秀逸。あれだけでアナ・ベルの死を予感させる。もう守るものがなくなってしまった故の行動なのだろうとアンドレの動機も。
アナ・ベルの悲劇を招いた母親からジュリアンへの「娘に女の悦びを与えて」という依頼の目的がわからない。ジュリアンの野心を見抜いていたのなら「遊び相手」にはなっても「伴侶」にはならないだろうし、アナ・ベルが経験したところでなにがどうなるとも思えない。実際、遊ばれたと知ったアナ・ベルは絶望したわけだし。
エリザベートのジュリアンへの気持ちも歪んでそう。ジュリアンは私に夢中と思っていたらそうではなかった、そして自身のジュリアンへの恋心というか独占欲に気付いてしまった。許せない。絶対。てことか。
一番かわいそうなのはサビーヌ。ジュリアンとは住む世界を異にしてしまったのだからふたりで幸せになる未来なんてないのに、なまじ再び交わってしまったばっかりに。でもその手を血で汚したおかげで救われた人は少なくないはず。
そしてジュリアン。「なんとしても成り上がる」と言っていたわりにあっさりと情に絆されてしまうなんてチョロイ。クズになりきれなかったのね。
いやほんと面白かった。もう一度見てもっとよく物語を味わいたい。
役どころが豊富なのもよかったです。とくに下級生で構成された上流社会の仲間たちにはワンフレーズずつとはいえソロがあって、下級生を覚えるのにもってこい。
シリアス一辺倒と思いきや、ボランジュ夫人がコメディリリーフとなり、まこっちゃんがイメージキャラクターを務める仙台銘菓「萩の月」を小道具に爆笑をかっさらっていきました。まこっちゃんの反応を見るに完全にダマなんでしょうね。それでもイケボで「ふんわりなめらか」とイメージキャラクターの役目をしっかり果たしていました。

・ESTRELLAS
私の大好きな「大海賊」の中村暁先生のショーということでとても楽しみにしておりました!
タイトルからするに「星」がテーマのようですが、とくに統一したテーマは感じられず次々に場面が変わっていく構成。ストーリー性があるのも一場面くらい?
J-POPを多用しているということでしたが、思ったほど気になりませんでした。洋楽も使われてましたね。「SUNNY」「HOT STUFF」どちらも耳なじみのある曲です。
前半は全員が黒基調の衣装を身にまとった場面やダンスボーカルユニットを思わせる場面に宝塚らしくないな…と思ったりもしましたが、後半の流れはザ・タカラヅカでした。私はこの先ずっと星組の大階段黒燕尾群舞を妬ましく思い続けるんだろうなあ…。黒燕尾そのままでのデュエットダンスも素敵でした。
全国ツアーでのお楽しみといえば客席降り、今回は2回ありました。1回目はセンターブロックの両脇だけだったので指をくわえて眺めるだけでしたが、2回目はサブセンターの通路にも来てくれて、間近で見るはるこちゃんに感激!マイケルに至っては一番端の通路を最上段まで駆け上がる出血大サービス!さすがにこのときばかりは客席も大騒ぎでした。
フィナーレでは不思議な羽根を見せられました…。まこっちゃんの羽根はサイズはトップ羽根と変わらないけれど、雉羽根が少なくてナイアガラもない。でも二番手羽根よりは豪華。はるこちゃんの羽根は愛ちゃんと同格で、雉羽根付きの三番手羽根といったところ。それまであまり深く考えていなかったのですが、そうか、トップ不在だとこうなるのか…と思い知らされました。
それと、はるこちゃんがトップ娘役でも娘役二番手格でもないということを端々で感じました。
一番わかりやすいのが衣装。オープニングからして他の人と変わらないという…。デュエダンなどはそれ相応の衣装なんだろうけれど、大勢の中でひときわきらびやかな衣装を身に纏い燦然と輝くトップ娘役を見るのも楽しみのひとつなので、それが見れなかったのは残念でした。でもそんなふうにトップにしか許されないことがあるのが宝塚の魅力なんですよね。
上級生ふたりがメインの娘役群舞も本来ならトップ娘役が率いる場面なんだろうなと思ったように、娘役に限らず、本公演での中心メンバーがごっそり抜けた結果、たくさんの生徒に活躍の場が与えられたのだろうと想像がつきます。本公演では気付けないような新たな魅力に気付くきっかけなったのではないでしょうか?!
ところでこの踊りまくりのショーを紅さんがやったということが信じられないのですが…本公演からどのくらい変わったんだろう?まこっちゃんの場面はそのままで、トップの場面を愛ちゃんと分け合ったのかな?

最後に、生徒について。

・礼真琴/ジュリアン・クレール
スラム育ちの青年の成り上がりストーリーは少年の面影が残る若いまこっちゃんにピッタリ。
まこっちゃんといえば歌唱力に定評がありますが、私はダンスが印象に残りました。踊れる人だということは知ってたつもりですが、こんなに踊れる人だったとは!踊りまくりのショーだからこそまこっちゃんのダンスの魅力に気付けました。
歌はいうまでもなく素晴らしく、とくにK-POPやLDHを彷彿させるささやくような歌い方をさせたら右に出る者なし!ただ、みっちゃんやだいもんで経験した「うますぎてひっくりかえった」(比喩)をまこっちゃんでは経験できませんでした。これは「うますぎる」を大前提としてそれ以外の要素のなにがどうってのは自分でもよくわかりません。この先まこっちゃんでそれが経験できたら素晴らしい経験になるはず。
歌わせてよし躍らせてよしなまこっちゃんですが、台詞に不明瞭なところがあるのが意外でした。「意外」と書いたのは、女役だった「ガイズ&ドールズ」はともかく「こうもり」ではそんなこと思わなかったので。声を低く作った影響なんですかね?考えてみれば「こうもり」はわりとかわいらしく演じてたし。「桜華に舞え!」は…どうだったかな?
ともあれ歌にしろダンスにしろ真ん中がうまいのは最高!少しも「ん?」と思う点がないのは本当にありがたい!台詞だってたいして気になるほどのことじゃないし!
ショーでは歌もダンスも最後まで安定していましたが、オペラで覗いたら汗だっくだくでした。全身全霊なまこっちゃんに感服!

・音波みのり/サビーヌ
ショーダンサーらしい露出度の高い衣装で踊る場面では腹筋に釘付け!になりそうになったのでオペラで腹筋を追い掛け回すのをぐっとこらえました。背中のヴィーナスラインも素晴らしい!!!はるこちゃんには芝居の人のイメージがあったのですが、ダンスの人だったんですね!そういえば「ガイズ&ドールズ」でもクパーナのダンサーでした。
まこっちゃんの相手役ということでサイズ感もお似合い。まこっちゃんより4期も上なのにヒロイン力に溢れているはるこちゃんを見ると、早期就任が続くトップ娘役にいろいろと思ってしまいます。

・愛月ひかる/ジャック
今の愛ちゃんの立場に相応しい役だと思いました。トップよりも若く見える下級生がやったら違和感を覚えるはず。大人の男な愛ちゃんからはジュリアンより年長なボスの風格をしっかりと感じました。
愛ちゃんの芝居声は聞き取りにくくて苦手なんですけど、歌声は実に堂々としたもので、歌い継ぎの場面になると下級生と比べて圧が全然違う。中心で活躍してきただけあります。
それにしてもスタイルが素晴らしい。みんなわりとオペラにギリ全身収まるのに、愛ちゃんは収まらない。

・朝水りょう/ボランジュ総督
出番も多くて別格上級生や専科に当てられそうな役を演じたのはまこっちゃんより1学年下の彼女でした。面長で頬のこけた顔立ちは現役感のある壮年の男性に相応しく、なにより台詞が明瞭で、こんな生徒がいたのかとびっくりしました。そうか96期はもう若手じゃないのか。すっかり気になる生徒の仲間入りです。こういうのがあるから別箱公演は楽しい!

・小桜ほのか/アナ・ベル
彼女の歌を聴いて「歌える人」と「うまい人」は違うんだなと思い知らされました。盲目の演技も語られるよりも早く「もしかして?」と思わされたし、すごい生徒です。ショーでも愛ちゃんの相手役を務めたりと、大活躍でした。

・桜庭舞/エリザベート
いまどき珍しく(?)大人の女が演じれそうな見た目に似合わぬキャンキャンした声は役柄に合わせて?地だとしても役柄には合ってました。絶許ソングは日常で使いたいヅカソングのレパートリーに追加です。

・極美慎/アンドレ
いかにも若手路線に当てられそうな役でお嬢様への密かな恋心が感じられてとてもよかったのですが、専科や管理職が演じたらまた違った味わいが出そうだなとも思いました。
顔は認識していなくても若手路線とわかるポジションで活躍していたし、若手路線とわかる歌唱力でした。

・紫藤りゅう/ミッシェル
前半全然出てこなくてしどりゅーどうした?と思ってしまいました。出番は後半に集中していました。
彼女の持ち味は白なんですね。上流社会の明部を象徴する存在として白い彼女に似合っていました。ただ、面白い役ではない。
ショーで見ても正統派で、黒い役とかイメージできない。クセがないのがかえって気になる。

・白妙なつ/ルイーズ・ボランジュ
・夢妃杏瑠/マダム・マルト
私なんでかこの二人の区別がつかなくなるんですよね。というか、あんるちゃんをなっちゃんに見間違えることはないんだけど、なっちゃんをあんるちゃんに見間違えることがある。退団しちゃったけどカトリーヌちゃんも含めて検証したかった。

・遥斗勇帆/クリスチャン
歌唱力がものすごいと評判の彼女、とても楽しみにしていました。噂通りの半端ない歌ウマでしたが、声は学年相応?意外と高めなんですね。
芝居でも率先してジュリアンをいたぶるポジションで印象に残りました。(単に見分けのつきやすい顔だってのもありそうだけど)
歌ウマなのはなによりですが、芝居のラストのカゲソロはもうちょっと抑え気味でもいいような…。あまりのインパクトに意識がそっちに持っていかれそうになったので。

スラムのみそっかすはおいしい役だったけど誰だったんだろう?
みっちゃんと縁のある颯香凜ちゃんは上流階級の仲間たちの場面で「多分この子」と思った子がいたのでその子だと思う。
娘役に転向したいーちゃんはわかんなかったけどもしそのまま男役だったらわかったかな?
組長さんは相変わらず映画スターのように美しかった!

全国ツアーのお芝居には「なんでこんなんばっかりなの!」とほぼ毎回思ってて今回のも「こんなん」だとは思うんですけど、好き嫌いで言ったら好きなので良かったです。いやホント、ショーが嫌いってのはないんですけど、お芝居は生徒の印象を左右するほど引きずるのでね…。
約1年ぶりの観劇でしたが、やっぱり宝塚はいいですね!チケットがどんどん取りにくくなっている昨今、私程度の熱量では年イチの全国ツアーが関の山ですが、今後も無理なく観劇できればと思っています。
舞台 | CM(0) | TB(-) 2019.05.21(Tue) 23:20

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