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呑めないのでつまみ出されます

宝塚星組公演・MUSICAL「こうもり…こうもり博士の愉快な復讐劇…」/ショー・スペクタキュラー「THE ENTERTAINER!」に行ってきました。
雪→星→宙→月→花→星→宙→宙→月→星で3回目の星組です。
宝塚観劇は上京のついでか全国ツアーで近場に来たらの年2回程度のお楽しみな私でしたが、昨年6月に星組全国ツアーで星組トップスター北翔海莉さんに心を奪われて早一年。こんなに心待ちにしていた観劇もありません!
みっちゃん(北翔さんの愛称)の過去を知るにつれまさこさんこと十輝いりすさんにも愛着が湧き、そんなまさこさんの退団公演ともなった本公演、結果的に「上京のついで」とはなりましたが、無事に観劇することができました。
前知識は入れたくなかったのでネット等で情報を拾わないようにがんばってはみたものの、キャトルレーヴに行けば店内BGMだの舞台写真だので嫌でも入ってくるのね…。
それではさっそく感想を。

まずはミュージカル「こうもり」。
大好きな「THE MERRY WIDOW」の第2弾とも称される北翔×谷×オペレッタな本作品、もーのーすーごーく期待してました。結論としては「あー面白かった!で、なんだっけ?」
最初から最後まで笑いっぱなし、本当に楽しい!面白い!この人たちのドタバタいつまでだって見てられる!でも終わってみれば話がよくわからない。
ファルケ博士とアデーレがいつ恋に落ちたのかもわからないし、どこまでがファルケ博士の仕込みだったのかもわからない。
そもそも何をもって「復讐大成功!」としてるのかもわからない。ファルケ博士の描いたシナリオとしては「俺に恥をかかせたあの野郎、かわいこちゃんを口説いているところをこわ~い奥さんに目撃されて怒られてしまえ」かなあ?
ま、「よくできた話」に越したことはありませんが、冒頭のヨッパライ二人、ポンコツ弁護士とのひと悶着、晩餐会に誘い出すくだり、なりすましフランス人のデタラメフランス語合戦、頭のおかしい人が次々と集まってくる刑務所、思い出し笑いしてしまうほど面白い場面の連続だったので、じゅうぶんに楽しめました。
お気に入りはアイゼンシュタインの執事アルフレードがご主人様の不在をいいことに調子に乗ってご主人様のガウンを着て女中アデーレを口説く場面。アデーレの迷惑顔とおかまいなし喜色満面でノリノリなアルフレードの対比が最高でした。
THE MERRY WIDOWは「宝塚の皮をかぶった新喜劇」だと思ってるんですけど、こうもりも同じく、音楽も舞台も衣装もとにかく華やかで、まさしく夢の世界なのにやってることはドタバタ喜劇。そんなゆかいな夢の世界の真ん中に立つのはなんたってみっちゃんですからね!安心して身を委ねられました。相手役の妃海風ちゃんは言わずもがな、二番手の紅ゆずるさんもしっかり声の出る人なので、ノンストレス!
曲も「こうもり」を知らなくても聴いたことのある曲ばかりで、こういう歌詞をつけるのか!と楽しくなりました。
1回しか見てないのでどこがアドリブだとかそういうのはわかりませんが、それでも演者のこれでもかっていうくらいのサービス精神で満たされた濃密な空間に体感2時間超え、頭カラッポで楽しめる娯楽作品でした!

続いてショー「THE ENTERTAINER!」
ひとことで言えば盛りだくさん!ひとつの場面が短いから小一時間、まったく飽きることもダレることもなく楽しめました。
大した数観てない私ですら既視感のある場面が少なくなく、ということは見たいモノをしっかり見せてくれるってことで、演出家の大劇場デビュー作と知ると「お客さまの期待を裏切らってはいけない」という気概がひしひしと伝わってきました。
話題の102人ロケットは東京公演では70人に減ったとはいえそれでもすごい迫力!これをシルクハットにケーンに黒燕尾&黒燕尾ダルマでやられちゃあもう。ザ・タカラヅカを目の当たりにして圧倒されました。
田舎から出てきた明日のスターを夢見る青年のサクセスストーリーは芝居仕立てで面白かったです。106歳の老人に化けたみっちゃんとスタイリスト(?)に扮した紅氏との漫才は毎日違うこと喋ってるんだろうなあ。すごいなあ。
まさこさんとマギーこと星条海斗さんの女装、巨大な美女二人はこのうえなく恐ろしかったです。間に挟まれるミッチェル、頭から食われそう。スパニッシュな場面での英語の歌い継ぎはこのうえなくかっこよかったです!
みっちゃんとまさこさんが一緒に踊る場面はとても短かったけれどしっかり目に焼き付けました!
歌を聴いても歌詞が全然頭に入ってこない私ですが、みっちゃんの弾き語りは歌詞がバッチリ頭に入ってきて、その歌詞がまるでみっちゃんの想いのように心に響いてきて、涙ぐまずにはいられませんでした。みっちゃんがピアノごとセリ下がっていくのと入れ違いで紅氏がせりあがってくる場面は、みっちゃんが退団を発表していたこと、そして次期はおそらく紅氏であることを考えると、世代交代を思わせる感動的なシーンでした。
いやー。好きなトップスターの新作ショーがこんなに感動するものだとは知りませんでした。なんてこたない場面でいちいちウルウルきてしまってたいへん。他の人が同じことやってもウルウルなんて来ないだろうな。宛て書きってこういうことなんだあー。ホントにこれはみっちゃんじゃなきゃできないわ。

最後に印象に残った生徒について。

・北翔海莉/ファルケ博士
一応主人公らしいけど、あんまり主人公っぽくなかったです。「さてさてこの後どうなりますことやら?!」みたいな、弁士とかそういうポジション。ま、その分いーっぱい歌ってくれたので許す!みっちゃんが歌うと全身の毛穴が開くー。
ファルケ博士を主役にしたのはアイゼンシュタインはマヌケだから宝塚の主人公にはふさわしくないからとのことですが、アルフレードからすれば「めんどくさいご主人様のもっとめんどくさいご友人」だったり、ロザリンデからすれば「夫の悪い遊び仲間」だったり、助手たちにマジギレされて逆ギレしたり、ファルケ博士も大概ダメな大人ですが。
アイゼンシュタインとは公園で酔っぱらってキスしたりソファーに押し倒されたりと腐女子的にムフフな場面もあるんですけど、この二人がやるといけないものを見てしまったという感じにひとつもならないんですよね。あーなんか子犬がじゃれあってるなー。みたいな。
アデーレとのロマンスはなんでそうなったかわかんないけど、ふうちゃんのヒロインパワー爆発でまあーロマンチックでございました。
一転、ショーでは八面六臂の大活躍!あんなにいろんなみっちゃんが見れるなんてみっちゃんファン大歓喜。私も大歓喜。本当にみっちゃんでずっぱり。みっちゃんが三番手時代のショーの映像なんか見てますと「みっちゃん思ったより出番少なかった」とガッカリすることもありましたが、そう思わないで済むなんてなんて素晴らしいんだろう!むしろトップだとしても「みっちゃん思ったより出番多かった」と思ってしまうほど、みっちゃんファンとしてお腹いっぱいなショーでした!エンターテイナーへの道ではいろんな人との絡みが見れたのも楽しかったす。

・紅ゆずる/アイゼンシュタイン侯爵
原作では主人公というより宝塚版でも結局主人公なような気がしないでもない。
ガイズ&ドールズのネイサンもそうだったけど、彼女が演らずに誰が演るってくらいピッタリな役どころですね。彼女ビジュアル系なのにおっさん演るとちゃんとおっさんに見えるところがすごい。「ヒゲつけたらおっさん」ってのじゃなくてヒゲなくてもちゃんとおっさんに見えるもの。妻に尻に敷かれてそうだもの。妻の目盗んで女遊びしてそうだもの。
太陽王のときにも思ったけど、彼女は声がでかくて気持ちがいい!私、歌ヘタには寛容だけど(タニウメどんとこい)声が出ないのは許しがたいのでふうちゃん共々みっちゃんの隣に立つ人が声の出る人で本当に良かったと思ってるんです!
芝居ではみっちゃんとガッチリ組んだけど、ジョンソン先生106歳の場面が強烈でそんな感じもしないけど実はショーの方ではあまり絡みがなく…。でも他のショーを思い出すと2番手ってそんなモンかな?トップが引っ込んでる場面のメインになるんだから。
なんやかんやで二人相性いいですね。並びの見た目も。どこかで「トップと二番手は陽と陰で属性違ったほうがいい」というのを読んで合点したものですが、この二人も陰陽だなと。陽陰か。宙組も陽陰。

・妃海風/アデーレ
娘役トップとしては「異様に豪華な背景」といえなくもない役どころに「?」ともなりましたが、ピンク色のメイド服が似合いすぎてもんのすごくかわいいいいいい!かわいすぎてポケットスチール買っちゃいました。サイズ感含めてかわいい。
ふうちゃんって「おてんばで腐れ縁とは軽口叩き合うけど好きな人の前ではおしとやかになっちゃう」という私の理想の少年漫画のヒロイン像を地で行く娘役だと思うんですけど、前出のアルフレードとの場面が中の人との関係も含めてまさしくそれでたまんなかったです。ファルケ博士に「夜の公園でセリフの練習をする女優志望のアデーレ」のモノマネされて「やめてください!」とかね、かわいすぎるよふうちゃん!
私、正直ふうちゃんの歌については、演じながら歌うのはものすごくうまいけど、歌唱力でいえばそれほどでもない?と思っていました。今回の舞台を見て考えを改めました。上手いです。めちゃくちゃ上手いです。女中仲間が耳をふさいでしまうほどのボリュームでどこまでも高く伸びる声。ソプラノの人なんですね。そして70人ロケットでめっちゃ体しなってる人がいる。誰だ?と思ったら彼女だったという。歌の人として扱われてるけどダンスだって相当なところが似た者コンビだなあと思った次第です。
ブルーローズの場面だったかなあ、すごく凛とした表情にハッとして、女王を演じる彼女も見てみたかったな。退団を発表した今となっては叶わぬ夢ですが。

・十輝いりす/フランク
まさこさんの出演作でここまでコミカルな役もナンパな役も初めて見ました。さすがにナンパな役がピッタリとは思いませんでしたが、デタラメフランス語合戦や酔っぱらいながら刑務所に戻ってきた場面とか、そこらへんは本人のとぼけた持ち味にピッタリでしたね。アドリブ苦手なまさこさん、デタラメフランス語合戦でのアドリブにビックリ!しかも座布団あげたいほどウマイ!拍手喝采でした。
ショーでは女装のインパクトが強すぎて他の記憶ぶっ飛びそうだけど、まさこさんのスパニッシュの似合いっぷりは異常、その姿での英語の歌も聴けたし、男役群舞ではみっちゃんの隣で踊る姿を見れたし、みっちゃんとのデュエットダンス(?)も見れたし…思い残すことばかりです!!!(牧文四郎)

・礼真琴/アルフレード
「ご主人さま~~~!」の登場の仕方がニエグシュまんまでウフッ。なんでもできる彼女がこういうちょっと抜けたかわいらしい役をやると五割増しでかわいく見えます。ヨッパライ二人に振り回される姿が愛おしい。気のあるあのコを誘惑して迷惑がられてる姿が愛おしい。牢屋でふてくされてる姿が愛おしい。
ミュージカルでは中抜けしてしまいますが、ショーでは大活躍!とくに男性ダンスボーカルユニットを思わせる場面では無双でした。みんな慣れない歌い方に苦戦している中、ひとりだけささやくようなビブラートも取り入れて完璧に歌いこなしていました。舌を巻くとはこのこと。
今回の公演で羽を背負わせて明確に三番手と打ち出してきましたが、頼もしいかぎりです!

・星条海斗/オルロフスキー公爵
「笑うのを忘れてしまった」はずなのに誰よりも楽しそうでした。
マギーといえばツェータ男爵でがなり声のイメージしかなかったのでところどころ女性っぽく聴こえる声質にちょっとビックリ。役作りのせい?
ショーではまさこさんとニコイチな感じで。マギーもまさこさんもただでさえ濃いのに二人で並ぶと相乗効果で更に濃かったです。

・夢妃杏瑠/ロザリンデ
原作ではヒロインの役どころのようですが、宝塚版では管理職や専科に宛てられそうなおばちゃんキャラになってました。
彼女自身にとってもこれまでで一番大きな役だったようですが、ダメ夫にほとほと困り果てている奥さんをしっかり演じていました。歌も不安なく、実力で掴んだ役なのでしょう。紅氏との並びもしっくり。ホントにこういう夫婦いそう。

・綺咲愛里/イーダ
原作におけるロザリンデとアデーレのいいとこ取りって感じなんですかね?あらすじ見ただけじゃわかんないな。原作も見なければ。序盤全然出てきませんでしたか後半は出ずっぱりでした。
彼女は太陽王を見たときに「かわいい顔してなんというドスの効いた歌声」と印象に残っていましたが、歌声に関してはもう全然、何の違和感もありませんでした。

・七海ひろき/ブリント
かいちゃんは組替え前に一度見てるんですよね。ベルばらのオスカル役できれいだけど歌が…と印象に残っています。
ラブドリのDVDで知ってたけど歌は相変わらずですね。紅氏と夢妃さんと三人横並びで歌う場面はひとりだけ声が全然聴こえない。歌わなきゃ気にならないんだけど歌劇団で役付きもよけりゃそうはいきませんからねえ。
みっちゃんの宙組時代の仲間だから愛着はあるのですが…。

・美稀千種/フロッシュ
みきちぐさんは小柄なのでショーではときめかないんですけど、お芝居になるともう、最高、最高!大好き!
今回は最後の場面にしか出てこないのに風貌も相まって全部持ってく勢いでした。アイゼンシュタインと手錠で繋がれる姿がなんだかケータイにぶらさがってるマスコットに見えてきておかしかったです。

・汝鳥伶/ラート教授
ラトえもーん!「空耳スピーカー」を渡して「復讐は愉快に」と諭してあとは見守るだけってのがホントにドラえもん。
ラート教授の温かなソロにのせて助手ズと女中ズが次々に結ばれていく場面はかわいらしくて素敵でした。

・夏樹れい
役名付いてないんですけど、群衆で歌う場面になるとど真ん中に立つよう役どころでした。彼女目鼻立ちのはっきりした美人なのでただでさえ目立つのに大ニュースのシーンもすごく目立ってました。
ショーでもスパニッシュのデュエットダンスでソロがあったみたいだし。「みたい」って気付かなかったんですよ!だって女装だったんだもん!

さて、私もこの一年で星組の各人のポジション的なものがボンヤリとわかったようなつもりでいますが、それと照らし合わせると、そもそも役が少ないというのもあるとは思うんですけど、上級生の壱城あずささんがその他大勢みたいな役だったことが意外でした。私が初めて見た星組公演の太陽王では女役とはいえカルテットヒロインのひとりでしたし、大海賊でも出番の多いおいしい役でしたから。
壱城あずささんは路線ではないのでともかく、大海賊では娘役二番手の役どころを演じていた音波みのりさんも同じくだったのがもっと意外。オペレッタが題材である以上、適材適所の結果だったのでしょうか?
若手路線(妃白ゆあさん除く)だってその他大勢とまでいかなくても男役娘役ともにヨンコイチだし…。とはいえ、スターに見せ場を作るためになんでもかんでも役増やせばいいってモンでもないでしょうし。まあ、役が少ないってのは本作に限った話ではなく、そもそも「大劇場はそういうもの」なのかなと。
こういう部分を知らずに見れば「あー楽しかった!」で終わるのですが、なまじ知ってると余計な感情が湧いてくるものなのですね。

次の星組はみっちゃん&ふうちゃんの退団公演!いつかは行ってみたいと思っている本拠地に行くならもうこのタイミングがベストじゃない?と、画策中…。
宝塚 | CM(0) | TB(-) 2016.06.10(Fri) 20:44

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