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アゴタ・クリストフ「ふたりの証拠」を読みました。

「悪童日記」の続編ということで、「この後どうなっちゃうの?」という終わり方をした最後のシーンの続きから始まりました。ここに答えがあったとは。
今作の主人公はおばあちゃんの家に戻ったリュカの方。「ぼくら」はふたり一緒だから変人なんじゃなくてリュカひとりでもじゅうぶんに変人でした。母子心中しようとした女性とその息子マティアスを助けて一緒に住み始めたのにパートナーを失くした女性の家に夜な夜な通ったり。彼は年上好きですね。年下にはアプローチされてもなびかん。
わからないのがリュカがマティアスがすべてというくらいマティアスに執着したこと。マティアスの母を消したのはいつかマティアスを連れて自分の前からいなくなってしまうことをおそれてだろうし。リュカは献身的なんだけど、それって人のために動くことを何とも思わない、「何とも思わない」ってのは苦に思わないという意味じゃなくて、文字通り何とも思わないんじゃないかって。感情が無いというか。実際、これまでも数々の人の死に直面してきても感情を見せなかったし。だからマティアスの死から立ち直れなかったのがすごく意外に思いました。
しかし…あそこまで不幸な身の上のマティアスが死んでしまったのは傍から見ててもやりきれない。きっかけがリュカと並んで絵になる美しい子どもを見たからなんていう…。死ななくてもいいじゃんとは思うけど、わからないでもないのがなんともかんとも。リュカはマティアスのことをじゅうぶんに慈しんでいたと思うのに、それが届いてなかったんだろうか。でもマティアスも美しい子どもがリュカと接することに激しく嫉妬してたから、ちゃんとマティアスの気持ちもリュカにあったと思うんだけどね。だから死んでしまったのか。ああ…。
本筋とはあまり関係ないけど、本屋のヴィクトールと姉の話も怖かった。知らぬうちかけていたプレッシャー、勝手に感じていたプレッシャー、それに圧し潰されたヴィクトール。本当に二人とも救われない。
最後の方でようやっと「ぼくら」の片割れで国境を渡ったクラウスが登場。前作読んだときは少しも思わなかったけど、「ぼくら」ははたして本当に「ぼく"ら"」なんだろうか?という疑惑が浮上。
というわけで次は三部作完結篇の「第三の嘘」を読みます。
読書 | CM(0) | TB(-) 2015.03.19(Thu) 23:48

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