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不条理劇

小林信彦「うらなり」を読みました。

タイトル見て「坊っちゃん」のうらなり先生?と思って読んでみたらそうでした。うらなり先生視点の回想録といったところ。前後にはその後のうらなり先生の話が入り、山嵐とマドンナが登場します。
登場人物の名前を覚えるのが苦手な私はうらなり先生と一緒になって「五分刈りの名前ってなんだっけ?」と思いながら読んでました。もはや名前が無いということすら忘れてました。
「坊っちゃん」は話が全然頭に入ってこなくて再度流し読みしてなんとなくわかって、今回これを読んでようやっと理解できました。
読んでる側からも坊っちゃんはなにをそんなにうらなり先生のことを慕っていたのだ?と思っていたのですが、それを一番疑問に感じていたのがうらなり先生本人だったという。
「坊っちゃん」の中では何を考えているのかよくわからないようなうらなり先生でしたが、この作品ではかなり人間らしさを感じることができました。しかも坊っちゃんが感じていたような君子でもなんでもないんですね。三十路過ぎても独り身で結婚を急かされてお見合いも何度かしてみたものの断られてしまううらなり先生が珍しく積極性を見せて足の悪い女性とちょっといい感じになるんだけど、結婚という話になると尻込みして付き合いを断つエピソードなんかは象徴的だと思います。
作中のうらなり先生はどうも人生も終盤のようで、妻に先立たれたり、自分も肝硬変を患っていたりと、生きてりゃどうにかなると思う一方で、人の一生を垣間見たようで切なくもなりました。
思いがけず昔付き合いのあった人の近況を知ることができたような気になれた不思議な作品でした。
読書 | CM(0) | TB(-) 2015.01.23(Fri) 23:07

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