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コロンバン

平田俊子「スロープ」を読みました。
まず、なんでこの本を読もうと思ったかといいますと、以前、新聞でたまたま読んだ詩が強烈で忘れられなくて、他の詩も読んでみたいなと思って調べてみたら小説がありまして。
件の詩は「庭」という詩なんですけど、全文はコチラのサイト(NPO法人ぐーぐーらいぶ内としょかんメール通算72号の毎月の詩)を参照していただくとして、まあ、読んでの通りです。
こんな詩を書く人が書く小説ってどんなんだろう?と思ったのですが、小説になってもこんな感じでした。日常風景が綴られてる中で唐突にとっぴょうしもない妄想が始まるの。詩と小説の印象がここまで変わらないなんてオドロキです。
話の筋はちゃんとあります。隠岐の島で生まれ育った独り身の中年女性が太平洋戦争で戦死した叔父を慰霊するためにコロンバンガラ島を訪れる話。
序盤、落語の引用とか歴史の説明とかそんなんばっかり続いててなんだこれ?と思ったのですが、罪人をあたたかく迎え入れる島流しの地である隠岐の島の人と、見ず知らずの魂を一緒になって慰霊してくれる戦地であるコロンバンガラ島の人との「親切さ」という共通点を表現するためだったのだなと思いました。
私は戦争を知らずに僕らは生まれたな世代なわけですが、この本を読んで、慰霊や遺骨を拾うために世界各地を回ったり同じ土地を何度も訪れる人がいるということを初めて知りました。しかしこの小説の中にも「例年開催されている慰霊のためのツアーも参加者減少のため今年が最後です」とあるように、そういう人たちは戦友であったり子や兄弟であったりということを考えると、いずれはそういう人たちもいなくなるのでしょうね。そういう人たちがいると知った今となっては淋しく感じます。
エキサイティングなシーンはなにもなく正直やや退屈ではありましたが、ホラーとかサスペンスとかルポタージュばっかり読んでないでたまにはこういうのも読むべきだなと思いました。
読書 | CM(0) | TB(-) 2014.03.26(Wed) 23:21

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