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かわいそうで不幸なエリック!

劇団四季「オペラ座の怪人」を見てきました。2016年以来約2年半振り2回目です。
2回目とはいえ2年半前のことなんて私の記憶力じゃあ粗方忘れてるんですけど(実際忘れてた)、今回は原作を読んで相関図を頭に入れた状態で観劇に臨んだので理解度はかなり高かったと思っています!予習してなかったら冒頭のオークションに参加してるのがラウルだなんてのも絶対スルーしてただろうし。
原作との違いを感じながら見るのも楽しかったです。原作を読んだときに真っ先に思ったのが「ペルシア人って誰?」だったわけですが、そもそもペルシア人なんて舞台版には出てこなくて、マダム・ジリィがラウルを地下へ案内したりファントムの出自を語ったりと多少の役割を請け負ってるんですね。客席案内係ではなくバレエ教師となったせいか、ファントムの手下となる理由付けが難しくなってて、なんでマダムが色々知ってるの?と思ってしまったりもするのですが。
原作では冒頭で語られるだけだった道具方の首吊り事件が作中で起きるのは恐怖を煽る効果抜群!バレリーナたちが踊っている背景にファントムのシルエットが映るのも怖かった~。そしてなんといってもファントムの素顔。ファントムが隠していたのは顔面だけでなくて頭もだったというのが痛々しくて本当にショッキングでした。
ラストの「さそりかバッタか」が「ファントムかラウルか」に変わっていたのは舞台で再現するとなるとものすごく大掛かりな装置になってしまうから仕方ないか。金の指輪のエピソードも無いなあと思ってたら終盤で申し訳程度に登場しましたね。
原作から削られている部分が多かったけど、付け加えられた部分でよかったのは、ファントムに成りすまして…のくだり、完全に忘れていたので本気でビビった。クリスティースの花嫁衣装を着たマネキン(?)がドン!と動く場面もそうだし、ミステリー色が強い原作に比べて、舞台版はホラー色が強いと感じました。

前回観たときに思った
>なんで最後ファントムはクリスティーヌにキスされて「もういい。行っていいよ」になったのかよくわかりませんでした。
これは原作を読んで理解できたんですよ。母親すらくれなかった口づけをクリスティーヌがくれたことにファントムはいたく感動して、彼女への愛が確かなものとなり、彼女に愛を押し付けて自分の側に置くことよりも、彼女が愛する人とともにいる彼女自身の幸せを願った結果の行動だったのだなと。それを理解したうえでこの場面に注目したところで舞台からは伝わらなかったのが正直な感想。すっごくうろたえているのはわかるんだけど、怒っているというか絶望しているというか、幸福感が見えない。超ハッピーソングのひとつでも入れてくれたらわかりやすいのですが。
原作を読んだからこその感想としては、舞台版だとクリスティーヌの心にはラウルしかなくてファントムへの想いが見えなかった。原作だととにかくエリック(=ファントム)のことを憐れんでいて、ラウルからの求愛にも数十ページに渡って「でもエリックが!」などとしていたのが強烈だったので余計に。
舞台から読み取れない心情は原作で補完する一方で、文字からイメージできない現象を再現してくれるのが舞台のいいトコロ。全くイメージできなかった「喉に蛙」が見事に再現されていました。ついでに「上着のポケットから2万フラン抜き取り」もやってほしかったな~。ファントムが弾いていた「勝ち誇るドン・ジュアン」と思われる曲もイメージどおりでした。

楽しみにしていたシャンデリア落下のシーンは前回のインパクトが強すぎたのかこんなもんだったっけ?と思ってしまいました。会場の関係だろうけど、前回は「二階席から見て目の前にあるシャンデリアが弧を描いて舞台に落下する」と見えたのが、今回は「舞台中央上部にあるシャンデリアがまっすぐ落下する」と見えたので。やっぱり専用劇場にはかなわないかあー。
シャンデリア落下のインパクトが強すぎたのか、逆にテーマ曲に合わせてシャンデリアが吊り上げられオペラ座が現れるオープニングが最高にアガることを忘れていて新鮮に興奮しっぱなしでした。

最後に、主なキャストについて。

オペラ座の怪人/佐野正幸
男性の歌声を「天使」と表現することにどうしても違和感があって、ロンドンオリジナルキャストの音源を聴いても腑に落ちなかったのですが、こうして生で聴いてみるとそう表現したくなる気持ちもわからなくもなくもない。
ファントムって初老のイメージなので、小娘と初老の恋愛なんてねーよと思ってたのが、このファントムを見てアリだなと思えるようになったのは私が2年半歳を取ったから?

クリスティーヌ・ダーエ/岩城あさみ
あれ?前回と同じ人?と思ったら違う人でした。たしかに目がちょっと大きいし頬もちょっとふっくらしてる。
すごく小柄で最初「ちびのジリィ」かと思ってしまいました。そんな小柄な体からは想像できないのびやかな美しい歌声はまさに天使!しゃべり声がかわいいのも可憐さを際立たせていました。

ラウル・シャニュイ子爵/鈴木涼太
こちらは前回と同じ人でした。若々しく爽やかでクリスティーヌとお似合い。そりゃファントムも嫉妬するわな。

メグ・ジリー/小川美緒
金髪でわかりやすくかわいいので群舞でも目立つ目立つ。
序盤のファントム騒動でクリスティーヌと差し向かいでぺたりと座り込んで手を取り合いおびえる姿がまるごとかわいくて二人ばっかり見てしまいました。ここの舞台写真販売してください。

マダム・ジリー/佐和由梨
オペラグラスで覗くと役柄相応だけど、若々しいというかヒロイン力のある歌声にかえって違和感を覚えてしまいました。いやしかしお美しい。
キャラクターデザインが「エリザベート」のゾフィーすぎて「顔は洗ったの」が頭に流れてきたのには参った。

カルロッタ・ジュディチェルリ/河村彩
ルックス含めてイメージ通りで最高でした。

ウバルド・ピアンジ/山口泰伸
ディズニーキャラクターの実写化みたいでこれまた最高でした。

ムッシュー・アンドレ/青羽剛
ムッシュー・フィルマン/平良交一
かわいらしいおじさまたちでニコイチで出てくるたびに頬が緩んでしまいました。

2回目の観劇、原作を読んだのでまた違う視点で見れるだろうと思っていたけれど、読んでおいて大正解でした。
遅読だから原作読むのめっちゃ大変だけど、次回も原作読み直そう。2回目の「原作読んでから見る」もまた新たな発見があるにちがいない!

余談。
観劇後に会場近くの「味の牛たん喜助」定禅寺店に行ったんですけど、店内に飾ってあるサインを見てたら、見覚えのあるサインが…ググったらビンゴ!北翔海莉さんのサインでした!店員さんにも確認したので間違いありません!「とても気さくな方でした」とおっしゃってました~。日付からするに退団翌年のレコ発イベントの際に立ち寄られたようです。新年早々みっちゃんのサインが拝めるなんてご利益ありそう!
舞台 | CM(0) | TB(-) 2019.01.08(Tue) 23:59
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